あぁ長良川、長良川。

30代始まりと共に経験、技術無しサラリーマンの現状を垂れ流します。

明け方の若者たち

どうもこんにちわ僕です。

 

今日の本は、

明け方の若者たち

明け方の若者たち

 

 

 

この本を読み終えてぼくが感想を一言で表すなら、『エモい』に尽きる。

 


社会人になったばかりの主人公の青春が濃厚に詰まった話だと感じました。

 


物語の始めで、主人公が明大卒で、卒業間近に人生最大級の好きな人と出会い、大手企業に勤める時点では、何だよ勝ち組かよ。このままじゃ感情移入できないぞ!俺の人生真逆じゃねーか!と嫉妬の気持ちで一杯でした。

 

しかし、人生最大級の好きな人(彼女)との何をするにも楽しくて、一緒にいる時間全てが幸せな描写を読んでいるうちに、まるで自分が主人公になったかのように彼女を好きになるし、思い出も沢山出来たと錯覚してしまうような憧れの男女関係を描いてます。

 

仕事に関しては、恐らく誰しもが抱いている新卒で入って時間が経つにつれて仕事に対する希望よりも失望が上回り、遣り甲斐なんて糞食らえと惰性でただ黙々と機械のように仕事をこなすしかないような日々になっている自分を重ねるよう話だ。主人公は尚人と言う親友を同じ会社で得た事は大きいし、こんな同期いれば良かったなと思わずにはいられない。

 

ネタバレあるぞ!

 


物語の中盤で彼女との関係で、え!?嘘だろと言う様な話の流れで別れます。

その主人公の感情の表現は失恋したら誰しもが感じただろう気持ちで、心底同感出来るし、自分も過去を思い出し切ない気持ちに引き込まれました。

失恋したら時間が解決する!と親友の尚人が駆けつけてくれる。本当にいい奴だ。最高の親友だ。

 


入社してから、4、5年でこのままで良いのかと思い転職も考えるだろう。自分の場合は入った直後から上司との相性が悪く直ぐに転職サイトに登録した覚えがある。やりたい職種でもない仕事を叱られながらこなす日々に働く意味なんて、生きる為と上司に舐められたくない一心で辞めずにいた頃を思い出します。

 


話の所々で、J-POPの曲の描写も出てくるが読み終えた後に、1度曲を聴いてもう1度本書を読むとまたより感情移入が出来るのではないだろうか。

 


最後は、良いことがあると悪いことが起こる主人公らしい終わり方でほっこりした。

 


冒頭でも書きましたが、話の描写がリアルで大学卒業してから新卒何年目かまでの自分を思い出して感傷に浸れる様な、それでありながら自分では出来なかった主人公と彼女、親友の尚人とのやりとりに憧れの様なものを感じられる自分が読んできた本で1番『エモい』に当てはまる本だと思いました。