あぁ長良川、長良川。

30代始まりと共に経験、技術無しサラリーマンの現状を垂れ流します。

じんかん 松永久秀

どうもこんにちは僕です。

 

今回の本はこちら

 

 

戦国時代の梟雄の一人として名高い松永久秀の物語です。

 

他の梟雄として、斎藤道三宇喜多直家など居ますが、この手の人物は実は梟雄ではなく、何かしら強い信念があり、善の部分があるからこそ悪を出せるという善悪を柔軟に使い分ける事で大名として大きくなっている気がします。

 

ただこの物語の松永久秀は、基本的に善の心で三好家に仕えたが結果的に悪となってしまった。と言うよりも悪を利用して最善を尽くしたと言うか。

 

なんとも表現は難しいですが物語を読み終えて、兎にも角にも、主君三好元長の理想を一緒に叶えようと夢を見て、その意志を引き継ぎ自分の出来る範囲で実現しようとした良い統治者と言う感想です。

 

信長の野望では、キャラ付けのためにいかにも悪そうな面をしていますが、近年の松永久秀ではないかと言われる肖像画がネットニュースで出回っていた肖像画は、前歯が出っぱっておりとても愛らしいと言うか、優しそうな顔をしているなと、今回の物語では、顔立ちのよい人物ですが、出っ歯の顔でも親近感が湧く顔でイメージしながら読めました。

 

久秀の話が、信長の口から話されてるという演出も中々面白かったですし、斬新な気がしました。

 

 

松永久秀 

「三好様の夢が叶えば、死は有り触れたものではなくなるはずです。その先に人は何たるかの答えがあるのではないか、そう思うのです。」

 

三好元長

「子には迷いを捨てて争う修羅の国より、迷いながらも進む人間の国を生きてほしいと思った。

そのような世をみてみたい。」

 

細川高国

「日々の暮らしが楽になるのを望んではいる。しかし、その為に自ら動くのを極めて厭う。それが民と言うものだ。100年後の民にいくら有益であろうと、今の暮らしが奪われれば民は怒り狂う、民は快か不快かだけで生きている。」

 

松永長頼

「稀に兄者の様な者が生まれる。それも人の意思じゃないか。九割九部九厘が人の弱さなら、一厘が人の強さ。最後までその一厘を捨てずに抗い続けた者が歴史に名を刻んで残っているのさ。」

 

狩野又九郎

「神や仏が己に加護を与えなかったから。と神仏に責任を押し付けて自らを慰めていた。が、久秀の過ごしてきた日々を聞いた今、それがただの言い訳であったことを痛感している。

己はまさしく九割九部九厘の人であった。そして久秀こそがいつしか捨ててしまった、己の思い描いた夢の姿ではないかと、」

 

各登場人物の台詞も、今の自分の心にグッと刺さりました。