あぁ長良川、長良川。

30代始まりと共に経験、技術無しサラリーマンの現状を垂れ流します。

田中家の三十二万石 田中吉政

どうもこんにちは僕です。

 

今回の本はこちら

 

 

田中吉政と言えば、関ヶ原の戦いの折に石田三成を捕縛した事で有名だが、その他はあまり知らないマイナー武将だと思う。

 

そんな吉政の話。

 

豊臣秀吉のように、元は百姓だったが秀吉の出世と共にドンドンと昇進。

正に秀吉に次ぐ、第二の秀吉ではないかと思わせる出世ぶり。

 

だが、秀吉同様老齢になり次第に雲行きが怪しくなる。

長男の謀反や、三男の怪死、元妻の死など不幸が続く。

そして、最後の最後に百姓だった頃の家族団欒の方が良かったのではないかという吉政の感情に何とも言えない虚しさを感じた。

初めは家族の為に侍になり、家族の為に出世をしたのだが家族との時間が減り蔑ろにしてしまう、晩年になり親族は居るが、心を許せるものはおらず孤独になり酒に溺れてしまう。

 

吉政

「32万石を領したとて、さほど面白くもないぞ。気苦労ばかりふえてなぁ、まことに面白いのは、、、、出世の階段をのぼっている最中や。国持大名に登り詰めてしまえば、もはや心躍ることもない。ただ座して昔の面白かった日々を思い出すしか出来ぬ。」

「城に住もうと側女を何人も抱えようと、そんなものはさしてええものやない。やはり欲しいのは、、、、おふくぅ、、、」

おふく→1番初めの正室

 

戦国時代の立志伝のワクワクもあったが、どちらかと言うと現代にも通ずる悩みが染み出していた。

現代社会でも、家族の為に仕事をして、結局家族との時間が取れずにという事は良くあると思う。

それが元で熟年離婚とか。

老境になった時にそれが良かったのか悪かったのかは人それぞれだが、仕事とプライベートのバランスって難しいと感じされられる物語だった。

 

吉政1番の家臣 新兵衛

「吝くてつまらぬ男やったが、戦では恐れ知らずの頼りになる大将でござった。」

 

大名になったからこその、悩みかもしれない。

この後、田中家は取り潰されたが後に、旗本として取り立てられる。